OLYMPUS C-2100Ultra Zoom
C-2100UZ
映像素子 1/2インチ211万画素CCD(有効202万画素、補色フィルタ)
レンズ 10群13枚手ぶれ補正付き光学10倍ズームレンズ。焦点距離7.0mm〜70mm F2.8〜3.5
測光方式 CCDデジタルESP測光,中央重点測光、スポット測光
露出制御 プログラムAE,絞り優先AE,シャッタスピード優先AE,マニュアル露出,シーンプログラム
露出補正±2EV,ステップ1/3EV
絞り W:2.8〜8.0 T:3.5〜8.0
シャッター 1/2〜1/800秒(マニュアル時16〜1/800秒)メカニカルシャッター併用
WB フルオートTTL(iESPオート),プリセット(4種)
フォーカス TTL方式iESP AF,スポットAF、コントラスト検出式/AFイルミネータ有り
その他 フラッシュ内蔵(オート,赤目軽減,後幕/先幕シンクロ),フラッシュ補正±2EV
記録媒体:スマートメディア。電源:単三型電池4本
【背景】
 光学式手ぶれ防止機能付き10倍ズームレンズ(キヤノン製)を搭載した機体。1/2インチ200万画素補色フィルタCCDを採用する。同社のC-20xx、30xxとほぼ同じ大きさ、形のボディだが、レンズが大きいし沈胴式(※1)でないため、カメラ自体とても大きく感じる。が、レンズを左手でしっかり支えられるのでホールド感は良い。
(※1)普段は本体に引っ込んでいて、カメラの電源をONにするとズズッと全面にせり出してくるレンズのことを「沈胴式」レンズと呼ぶ。

 販売開始から2年近くたつ旧機種だが、10倍ズームレンズを搭載している数少ない機体のため今でも結構人気がある。ただし価格が低下した現在と違い、発売当時は機体の大きさと200万画素機の割には高額な価格設定(138,000円。搭載しているレンズを考えると決して高額とは言えないが…)の為か、あまり売れなかったようだ。同社製C-700UZ(手ぶれ補正機能の搭載していない沈胴式の10倍ズームレンズを搭載した200万画素機(1/2.7インチ補色CCD)。2001年9月発売開始)が結構売れているようなので、10倍ズームに関する需要はあると思われるが…結局後継機も出ないまま消えゆく機体となるようだ。ちなみに同じレンズを搭載する150万画素(原色フィルタ)機としてE-100RSがある。こちらの機体は連写機能がすさまじく、動いている被写体を追っかけながら撮るには最適と思われる。が、この機体もC-2100UZと同じ運命をたどる機体であろう。両機ともメーカでは生産中止となっているので、流通在庫がなくなり次第入手できなくなる。欲しい方は早めに買われることをお勧めする。

【特徴】
 C-2100UZの最大の特徴は、先ほども書いたとおり「光学式手ブレ補正付き10倍ズームレンズ」。高倍率域(テレ側と言う)ではシャッターを押し下げる時などのちょっとしたカメラの動き(ブレ)が画像に大きく影響する。C-2100UZに搭載されているレンズは、補正用レンズを露光中に動的に動かして(ある程度)補正する。補正量はシャッター速度で言うと1から2段位。それ以上のブレは補正できない。が、補正するとしないとでは大きな違いで、夕方などあまり明るくない状況(シャッター速度で言うと1/30〜1/60位)かつテレ端で、手持ちでシャッターを押してもほとんどブレない。また室内でフラッシュを焚かなくても慎重にシャッターを切ればブレもほとんどない。C-700UZでは、手ブレ補正がないためISO感度を上げる事によりシャッター速度を上げブレにくくするが、ISO感度を上げると画質も荒くなる(ざらついた感じ)。室内では三脚等カメラを固定する必要がある。
 その他特徴として、1/2インチ有効202万画素CCDが上げられるだろう。現在販売されている多くの200万画素クラスのカメラは、1/2.7インチのCCDを搭載しているが、C-2100UZは一回り大きい1/2インチである。画質の善し悪しは一般的に画素の数が多いほど良さそうだが、CCDの大きさ(1画素あたりのフォトダイオードの大きさ)も画質に大きく影響する(実際はCCDから取り出した情報を処理する「画像処理」の部分も影響は大きいが…)。フォトダイオードが大きければそれだけ光を溜めることもでき、画像にした場合の色の「階調」も良くなる。へたな300万画素機と比べても画質的には勝るとも劣らないだろう。
手ブレ補正機能付き10倍ズームレンズと1/2インチ有効202万画素CCDの組み合わせは、200万画素クラスではおそらく最強と思われる。

【使用感など…】
 左手にしっかりレンズを持ち、右手でボディを軽く支える。コンパクトとは言い難いボディではあるが、持った感じしっかりホールドできてちょうど良い大きさに感じられる。重さも約600gで決して軽くはないが、適度な重さがあって良いと思う。これでレンズの境胴にマニュアルフォーカスリングでもあれば最高だが、マニュアルフォーカスは十字のカーソルキーに割り振られていてリングをぐりぐりするのに比べ、操作性は良くない。ちょっと残念だが、まぁマニュアルフォーカスが必要な場面はそう多くないと思うので良しとしよう。
 ファインダーは光学式ではなくEVF(液晶ディスプレイ)となっている。昔の8ミリビデオカメラのファインダーみたいであまり見やすいとは言えない。特にマニュアルフォーカス時、ちゃんと合焦したかエッジの山みたいな物が判断しずらい。マニュアルフォーカス時はセンター部分が3倍に拡大表示されるのだが、今一である。改善を望みたい(といっても無理だが…)。
よく使う機能は独立したボタンに割り振られていて、操作性は良い。機能的にも最近のデジカメより見劣りする部分は無い。
補色フィルタは一般的に色が薄いとか色乗りが悪いとか言われるが、私的には好きな発色である。

【弱点】
どんな良い物でも弱点はある。C-2100UZの弱点はズバリ「風景の描画に弱い」こと。なぜ風景に弱いか、(1)広角側が足りない。C-2100UZの最大の特徴である光学10倍ズームレンズは、広角側38mm(35mmフィルム換算)からstart。風景を写し込むにはちょっと足りない。ワイコンを付ければ画角的には問題なくなるが…(2)解像が足りない。やっぱり200万画素では足りないなぁ。まぁ仕方ないが…といった感じ。あと「接写性能」。ワイド端で10cmまで寄れるが、できれば1cm位まで近づきたい。マクロレンズ、クローズアップレンズは接写する上では必需品。
操作については【使用感】のところで書いたが、マニュアルフォーカスの操作性、EVF。まぁこれは贅沢かな。

【その他…残念なこと】
F8.0まででは…せめてF11位までは絞りたい。
・絞りの穴が丸くない。羽絞りじゃないからなぁ…。
・シャッタースピード、1/800までなんだけど、1/2000位だったら良かったのにね。
・レリーズボタン(シャッターボタン)が重い(固い)。これは個体差?
・ホットシューが無い。
・色が安っぽい。
・ファインダーまたは、液晶モニタの角度が変えられると、接写の時に楽なのだが...

【総評】
 200万画素機で比べると、かなり出来の良いカメラだと思う。これだけのカメラが売れなかったのは、やはり価格設定なのだろう。メーカの在庫整理が始まって一気に価格が下がった今、結構な売れ行きを見せているのは、それを証明している。
価格設定だけじゃなく、カメラ本体の大きさも原因だろう。世間の人は「小さい、軽い、高機能」を望む傾向にある(私も例外ではない)。このレンズだからあの大きさは仕方ないと思える人が比較的少なかったのであろう。私は、あの大きさ形が好きだが、いつも持ち歩いて、気軽にパチッっと撮れるカメラでは残念ながらない。
とはいえ、現在でも見劣りのしない機能、手ぶれ補正付きの10倍ズームレンズ、1/2インチ200万画素CCD...これだけのカメラは、これから先出てはこないだろう。

ちなみに購入したのは4万円台まで価格の下がった今年の2月末。まだ2ヶ月弱しか使っていないし、カメラの勉強を始めたのも購入後だ。それでもギャラリーに載せているくらいの写真が撮れるのは、やはりカメラの性能のおかげだろう。

※※2003年2月、銀塩一眼レフカメラの資金にするために、里子に出しました。

DigiPhotoGallery topに戻る
title 2
staffへのメールはこちら...