WR4 自作アースチューン(ACA21W)

アースチューン(自作)

アースチューン...一言で言うと、
「アース側の電流の流れを良くする事により、エンジン出力の向上、始動性の向上等の効果をねらった電気系のチューニング」
って感じになるかな?

バッテリのプラスから各センサー、モータ、その他様々な装置に供給される電気は、最終的にボディを経由してバッテリのマイナス端子に戻ります。しかし、戻り経路であるボディは電気を通すためにはあまり最適とはいえません。各部で微細な電圧降下や波形の乱れが起きる場合があります。本来であれば全ての装置のマイナスをバッテリのマイナスに直接つなげれば良いのですが、現実的とはいえません。そこで、各ポイントから直接バッテリのマイナス端子に配線を通し電気の流れを良くしよう。というのが俗に言う「アースチューン」(アーシング)です。

エンジンルームをよく見ると、アースしているポイントがいくつか発見できると思います。その部分からバッテリのマイナス端子に線を直接引くだけでも効果が有ると思いますが、今回はアースされていない部分について強化してみました。

アースポイントは以下の4点です。
・エンジンシリンダヘッド
・インジェクションマニホールド
・エンジンスタータ(モータ)
・オルタネータ

※ちなみに、旧おくでん号(SXA11G)のアースチューンは、こちらに紹介しています。(ご参考にどうぞ)
※参考文献「オートメカニック2001年11月臨時増刊号トラブル修理の参考書 2002年冬版」

	材料と使った工具。・アース線(オーディオ用8sq) ・丸平型圧着端子(8-8) ・収縮チューブ・結束バンド等・大型圧着ペンチ(8sqまでOKの物) ・ハンドツール関係(10mmのソケット、8mm,10mmスパナ等) ・カッター、ニッパ... ・デジタルテスター(有った方が良いです)
	まずバッテリを露出させます(写真左)。合計6個のスナップを取ってカバーを取り除きます。エアクリボックス(フタだけね)も邪魔だから取っちゃいます(写真右)。赤矢印のボルトを取れば、エアクリのフタが取れます。
	デジタルテスター。安物で可。アースチューンは、その効果を体感することが難しいので、アーシング前と後の電圧降下を実際に測定してみました。測定方法は、イグニッションキーをONの位置(エンジンは始動しない)で、テスターのマイナスをバッテリのマイナスに、テスターのプラスを測定したいポイントにあてる。テスターは電圧測定にセット。 ※単位はmV。写真はアーシング前のシリンダヘッドの測定値。9.8mV。数値が大きいほど電圧降下が大きい。
	アーシング前の測定値。・シリンダヘッド9.8mV (写真左) ・インマニ10.6mV(写真右)
	・エンジンスタータモータ10.3mV(写真左) ・オルタネータ9.8mV(写真右)
	アース線の作成。アースポイントからバッテリのマイナス端子まで、現場あわせでアース線をカットし、圧着端子を圧着します。圧着後は収縮チューブで端子部分を保護しておきます。 ※収縮チューブ(青矢印)
	アースポイント。・エンジンのシリンダーヘッドとスタータモータ(写真左) ・インマニ(写真右)
	・オルタネータ(写真左) バッテリのマイナス端子部分(写真右)。なんとか4つ接続できました。 ※これ以上アースする場合は、ターミナルになる物が必要ですね。

アーシング前と後の電圧降下測定値です。

アースポイント	アーシング前	アーシング後
エンジンシリンダヘッド	9.8mV	3.2mV
インマニ	10.6mV	1.4mV
エンジンスタータモータ	10.3mV	3.1mV
オルタネータ	9.8mV	3.1mV

各ポイントで測定値が大幅に下がっています。

ポイントごとにアースしては測定しを繰り返しましたが、面白いことに電圧降下には相乗効果が有るようです。
シリンダヘッドだけアーシングして測定した場合は5.6mVだったのですが、スタータにアースしてみると4.3mVに、インマニ追加で3.7mV、最後にオルタネータで3.2mV(上の表の結果)となりました。

アーシング後の試乗。効果のほどは?...
素直な感想としては、ちょっと低速トルクがアップしたかな? くらいの体感度です(市街地一周程度の試乗)。まぁ体感については個人差が有りますし...とりあえず実際の数値(電圧降下の測定値)が良くなっているので、気分的には「アーシングして良かったな」って所でしょうか。

まだ長距離走ってませんし山坂道にも持っていけなかったので実のところ良くわかりませんが、これからの走り(燃費にも)に期待したいです。
※まぁ体感できたとしても、すぐ慣れると思いますが...(^^ゞ

アースチューンキットは市販されていますが、自作でも簡単に出来ますのでみなさんもいかがですか?

【注意】
・測定値については個体差がありますので、参考程度にしてください。
・体感については個人差があります。凄く効いているのに鈍感なのかも > σ(＾＾) ???
・作業時は安全に十分配慮してください。
・アース線をポイントからバッテリのマイナス端子まで取り回すとき、可動部分、高熱部分は避けて配線してください。
・絶対にショートさせないように！

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