引き伸ばしプリント[機材編]
2004年4月2日作成
2004年12月5日更新(G70他)
モノクロフィルムで写真も撮ったし、自家現像してネガにもした。さてその次は…。
パソコンによる明室作業でプリント出力もいいですが、やっぱり印画紙引き伸ばしでしょう。(^^)v
かくいう私もパソコン出力でしたが、やっぱり紙に焼いてみたい!ということで揃えてみました。

ネガを印画紙に引き伸ばしプリントするには、以下の機材が必要になります。

引き伸ばし機関係
ラッキーG70 (1)引き伸ばし機
簡単に言えばネガの像を印画紙の大きさに引き伸ばす道具で、ネガを写真の形にするには無くてはならない物です。私が使っているのは、ラッキー(藤本写真工業)のG70。ダイクロイックフィルタ(YMC)内蔵のカラー用引き伸ばし機です。モノクロなのにカラー引き伸ばし機? そうなんです。ダイクロイックフィルタを内蔵しているので、Y(イエロー)とM(マゼンタ)を調節する事により多階調印画紙に対応できるんです。また、レンズユニットを上下逆さまにセットする事により、散光式と集散光式に切り替えられる優れものなんですね。ちなみに製造販売が済んでいる古い引き伸ばし機ですが...
光源は12ボルト100ワット コールドミラー付きハロゲンランプ。台板上で半切りまで引き伸ばせます(写真に写っているユニバーサル・イーゼルは半切りまで対応)。

※写真では、テストする為にイルフォードのマルチグレード用フィルタアダプタを付けています。

G70ヘッド G70のヘッド。
カラー機なので、C,M,Yの調整用ツマミが付いています。モノクロ多階調印画紙の場合は、YとMを調節する事により対応します。
小さいツマミは光量調整用。約1/3に減光できるので、覆い焼きなどで長時間露光させたい時に使います。
その下のレバーは、フィルタを一時的に無効にするレバー。フィルターが入ったままだと暗くてピント調整しにくい時に、フィルタを無効にします。レバーを元に戻せば元の位置にフィルターが戻ります。

ピント調整用のダイアルは二重になっていて、粗動微動調整ができます。ちなみにフリクションタイプではなくてラック&ピニオンタイプなので、ピント調整しやすいです。蛇腹のガイドもヘッド内に収納されるので、焼き込み・覆い焼きの時に邪魔になりません。

60M G70を入手する前に使っていた引き伸ばし機。35ミリで台板上に最大四切り(よつぎり)程度まで引き伸ばすことができます。光源は100V100Wの引き伸ばし電球。ブルーコンデンサレンズ2枚を使った集散光方式です。

G70と同じユニバーサル・イーゼルを乗せていますが、台板からはみ出ています。
軽量コンパクトでとても使いやすい引き伸ばし機でした。

引き伸ばしレンズ (2)引き伸ばしレンズ
ネガのサイズで必要な焦点距離がだいたい決まっていて、35ミリの場合は焦点距離50ミリ。6x6の場合は75ミリ位のレンズを使用します。引き伸ばしレンズを通して光(ネガ像)をそのまま印画紙に照射するのですから、引き伸ばした結果(写真)はレンズの性能に大きく左右されます。なるべく性能の良いレンズを使いたいですね。
左からラッキー50ミリF4.5、EL-ニッコール50ミリF2.8、EL-ニッコール75ミリF4.0。私は35ミリとハーフサイズがメインなので、EL-ニッコールの50ミリをよく使います。

※写真に写っているラッキーの50ミリF4.5とEL-ニッコール50ミリF2.8は手放しました。今は、EL-ニッコール50ミリF2.8-Nをメインに使っています。
引き伸ばしタイマー (3)引き伸ばしタイマー

引き伸ばし機にも電源スイッチがあるので特に無くてもいいと思いますが、正確な露光時間を制御するには必要です。2ダイアル式、3ダイアル式、マイコン式などの種類があり、設定できる露光時間も0.1秒単位、0.2秒単位などがあるようです。写真はLPLの2ダイアル式(ET-200)で、露光時間は0.2秒単位に設定できます。セーフティライトとの連動機能(通常はセーフティライトON。フォーカス中、露光中はセーフティライトOFFになります)があるので便利です。私は持っていませんが、足で露光ONできるフットスイッチがあると覆い焼きなど両手が使えないときに足で操作できるので便利です。(フットスイッチ欲しいなぁ…)

ET400とフットスイッチ 3ダイアル式のタイマー(ET-400)にグレードアップ!。
0.1秒単位、1秒単位、10秒単位の3ダイアル式です。RCペーパーがメインなので、0.1秒位はたぶん誤差の範囲でしょうけど、何となく気分の問題です。(^^ゞ
ちなみにET-200は10秒以上は1秒単位の設定になるんです。ET-400は10秒以上でもきっちり0.1秒単位に設定できます。
※ET-400を入手したので、ET-200はfor saleしました。(^^ゞ

やっとフットスイッチも入手。覆い焼きとか焼き込みで両手が忙しい時も、足でチョンと踏んでやれば露光開始できます。これはかなり便利です。

イーゼルマスク (4)イーゼルマスク

印画紙を押さえておく台のことで、印画紙の周りに適当な余白を作ることができます。四切りサイズとカビネサイズの2種類くらいあると便利です。写真の物は左上を固定して二枚の羽で押さえます。
※カビネサイズ(写真上。
手放しました)、四切りサイズ(写真下)

高級(?)タイプになると4枚の羽がそれぞれ移動できますので、印画紙の周りの余白の自由度が高いです。欲しいけどお高いです。(^^ゞ

ユニバーサルイーゼルをメインで、四つ切り用はコンタクトプリントを焼く時に使っています。

ユニバーサルイーゼル LPLのユニバーサルイーゼルマスク。
中古屋さんで新品見つけたので買ってしまいました。大カビネから半切りまでいけるようです。上で紹介しているイーゼルマスクより重量があるので結構安心感があります。六つ切りの印画紙にフィルム駒に合わせて引き伸ばす時って天地に余白が出るのですが、上下左右4つの羽で印画紙をマスクするので、奇麗に焼けます。

カビネの時は上で紹介している「カビネ用」、大カビネ以上はこのマスク。四つ切り用のマスクはベタ焼きの台として重宝してます。(^^ゞ

フォーカススコープ (5)フォーカススコープ

引き伸ばし像のピントを正確に合わせる為の道具です。ピント合わせの時は明るい方がいいので、引き伸ばしレンズの絞りを開放にして合わせますが、合わせたあと露光用に絞るのを忘れたり、絞るときにピントが微妙にずれる危険があります。フォーカススコープは絞った状態で使えますし、フィルム上の粒子で合わせるので、正確にピントを合わせることができます。特に無くても困らないのですが、結構使えます。

写真の物はハンザ製(手放しました)ですが、現在はLPLの物を使っています。

引き伸ばし用の露光計。焼くと黒くなる部分を基準にして、シャドー部が引き締まった感じに再現されるように露光時間を決める事ができるんだそーです。(^^ゞ
印画紙の感度をセットして投影画面のもっとも明るい部分を測光、明るさをセットすれば露光時間が分かります。
カビネ程度の大きさだと誤差も大きいし、段階露光の試し焼きの方が手間はかかりますが分かりやすいです。
まぁ目安程度に使ってます。
イルフォードのマルチグレード(多階調)印画紙の階調を決めるフィルターです。00号(最軟調)1枚、0号(軟調)〜5号(すげー硬調)まで0.5段ずつ11枚のフィルタとセーフティフィルタの合計13枚のフィルタと、引き伸ばしレンズに取り付けるためのアダプタ、フォルダが付属しています。
一枚の印画紙で階調を細かく指定できて便利です。引き伸ばしの幅が広がります。
フィルタフォルダ ラッキー60Mにフォルダをつけた例。
現像・定着関係
バット (1)パット(トレイ)

現像、停止、定着の最低3つは必要です。できれば水洗い用を含めて4つはそろえたいです。色別に使うパットを決めておきましょう。カビネ用、六切り用、四切り用などが市販されていますので、印画紙の大きさにあった物または、印画紙より大きい物を準備します。大は小を兼ねると言いますが、六切り用で2リットルくらいの薬剤が必要になるので、あんまり大きいと薬剤の準備が大変です。(置き場所の都合もあるし…)。
現像液など温度管理が厳密な物については2重パットにすると温度管理が楽です。カビネ大の場合は(たとえば)六切り用のパットの中にカビネ用パットを入れて、現像液はカビネのパットに、その周り(六切り用パット)にお湯、水などを入れて温度を調整します。
※小さい方がカビネサイズ、大きい方は六つ切りサイズです。

ピンセット (2)印画紙用ピンセット

印画紙を挟んで薬液の中で撹拌したり、薬液間の移動などに使います。竹、プラスチック、金属製の物があり、印画紙を傷つけないように先端にゴムキャップがついてます。竹製が使いやすくていいです。現像液と停止・定着用に最低2本必要です。間違わないように色別にしておくといいと思います。
※私が使っている物は色が無いので番号を書いて分けてます。

タイマー (3)タイマー

処理時間を計るのに必要です。ストップウォッチなどアップカウンター式(00:00からの経過時間が分かる物)が使いやすいです。専用のタイマーも市販されていますが、キッチンタイマーが安価でいいです。デジタル、アナログどちらでも結構ですが、大きくて見やすい物がいいです。ただしバックライト付きはダメ。印画紙をダメにするかもしれません。

フィルム現像で使っている100円キッチンタイマー(写真右)を使っていましたが、表示が小さくて見にくかったので、表示の大きいキッチンタイマー(写真左)を新調しました。

(5)その他メスカップ、メスシリンダ、液温計、撹拌棒などを準備しておきます。
暗室関係
暗室電球「親子型」 (1)暗室ライト

印画紙は青い光、白い光に反応しますので、反応しない色のライトが必要です。写真の物は「暗室電球(親子型)」。電球ソケットにねじ込んで使います。階調別一般印画紙用だと思います。電球ソケットにねじ込む強さ(深さ)によって2段に明るさが変わるので「親子型」って言うらしいです。

※セーフティライト
ボックス型で中に20Wの電球を入れて使います。前面のフィルタガラスは、使う印画紙によって交換できます。
今入っているガラスは、フジの黒白(多階調含む)用のSLG-2V。

このライトはハッキリ言って明るいです。設置例はこちら...

ダークカーテン (2)暗幕(ダークカーテン)

簡易暗室を作るときに、窓とかドアに吊して遮光するのに使います。布製、ビニール製などがありますが、機能的には同じです。写真の物はビニール製。2x2メートルあります。ビニール製は静電気が起きやすく、たたむときにパチパチします。(^^ゞ。

洗濯バサミ (3)洗濯挟み

印画紙を自然乾燥させるときに、印画紙の端っこを摘んでぶら下げておくのに必要。先端がガタガタだと印画紙に跡がつくので、先端がつるつるのを使います。(乾燥後に余白部分を化粧裁ちするのなら洗濯挟みの「先端」にはこだわらなくてもいいですけど…)

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