引き伸ばしプリント[コンタクトプリント編]
2004年4月20日作成
フィルム1本分を1枚の印画紙に焼いた物を「コンタクトプリント」(通称べた焼き)って言います。APSフィルムをDPEに出したときについてくるインデックスプリントみたいな物です。コンタクトプリント1枚がフィルム1本分なので、フィルム(ネガ)の管理に便利です。また引き伸ばすネガを選ぶときも、全体を見わたせますので、引き伸ばしたい駒がすぐに見つかります。
何本か現像済みのネガが溜まったら、必ずコンタクトプリントを作るようにしましょう。

コンタクトプリントを作るには、引き伸ばし機、薬液など一式と以下の物が必要です。
(1)ガラス板
市販のコンタクトプリンタがベストですが、透明のガラス板で十分です。写真はコンタクトプリント用として市販されている物です。厚さ5ミリ位で、六切りより一回り大きいガラス板です。
(2)イーゼルマスク
四切り程度の大きさの物。コンタクトプリンタを使う場合は必要ないです。
※写真の下の物が四切り用のイーゼルマスクです。
(3)印画紙
六切りの印画紙。写真はフジブロWPの特別硬調印画紙。これで焼くとものすごく固い感じになりますが、メリハリが効いてて良いので私はこれを使ってます。
※実は100枚入りの箱が安く入手できたので…ひたすらこれに焼いてます。(^^ゞ
下の袋に入っている物は3号(硬調)印画紙です。
(4)ネガ
36枚撮りフィルム1本分。6駒ずつ6本がちょうど六切りの大きさに焼けます。
(5)六切り程度の用紙
露光時間を決める時に使います。光を通さない物。印画紙の袋でもかまいません。
それではコンタクトプリントを作ってみましょう。
(1)薬品の準備
六切り用のパットに、現像液(温度は20度)、停止液・定着液(20度前後)を用意します。水洗い用の水を溜めておくことも忘れずに。
※薬品は、現像液=コレクトールE、停止液=フジ酢酸30ml/1L、定着液=スーパーフジフィックスを前提にご説明します。
(2)引き伸ばし機の準備
光の面積が六切りより一回り大きくなる位置に引き伸ばし器のヘッドをセットして、周辺がボケないようにピントを合わせておきます。ちなみにネガキャリアは35ミリ用、引き伸ばしレンズは50ミリ。絞りは8に絞っておきます。
コンタクトプリントを作る前に、テストピースで露光時間を決めます。
※テストピース…六切り印画紙をフィルム(ネガ)の幅に細く短冊状に切って作ります。うまく作れば1枚の六切り印画紙から6枚のテストピースが作れます。
(3)テストピースのセット
テストピースをイーゼルマスクの真ん中位に置き、その上に濃度の揃っているネガをのせ(つるつる面が上、乳剤面が下です)、ガラス板を上からそっと置いてネガとテストピースを密着させます。
(4)引き伸ばしタイマーをセット
ネガが全体的に黒い(焼くと白くなる)場合は3秒、白い(焼くと黒くなる)時は2秒にセットします。
(5)位置決め
引き伸ばしレンズの下に赤フィルタをセットしてフォーカス露光開始。ネガ全体に光があたるようにイーゼルマスクを動かして位置を決めます。
(6)テスト露光
テストピースを紙で覆いずらしながら6回露光します。少し斜めにして覆うと覆った部分の境目がわかりやすいです。
※赤フィルタを外すのを忘れずに。(^^ゞ
(7)現像、停止、定着、水洗い
決められた時間きっちりと処理します。
※現像=90秒、停止=30秒、定着=2分30秒。水洗い=5分
水洗いが終わったら(本当は乾燥まで終わらせた方が良いです)テストピースを参考にして、本番での露光時間を決めて引き伸ばしタイマーにセットします。
2または3秒で6回露光していますので、初めの露光時間は12秒(18秒)。だんだん薄くなって最後は2秒(3秒)になっているはずです。色の濃さを見て適当な秒数に決め引き伸ばしタイマーにセットします。
※何枚か作りましが、だいたい10秒を基準にして、ネガが濃い時はプラス2〜5秒、薄いときはマイナス2〜3秒位になると思います。
テストピース 右から3秒、6秒、9秒...
この場合は12秒くらいが良いようです。
コンタクトプリント本番
ネガを並べてガラスを置いた所 (8)ネガを印画紙の上に並べる
六切り印画紙をイーゼルマスクに置き、その上にネガ(6駒6本)を上から順番に並べます。フィルム同士が重なるとピンぼけの原因になりますので、重ならないようにぴったり並べます。6本並べると、印画紙から少しはみ出ますが、写真部分(駒部分)ははみ出ないはずです。並べ終わったら静かにガラス板を置いて密着させます。

※ガラス板を置くときに、ネガがずれないように注意してください。
(9)位置決め
引き伸ばしレンズの前に赤フィルタをセットしてフォーカス露光、六切り印画紙全体に光があたるようにイーゼルマスクを動かして位置を決めます。印画紙全体に光があたらない場合は、引き伸ばし機のヘッドを引き上げ光が全体に当たるようにすればいいのですが、光の強さが変わり、露光時間を変更する必要がありますので残念ながら(2)からやり直しです。
※または、適当な露光時間(感が頼り)に調整します。
現在露光中 (10)本番露光
赤フィルタを外して、セットした秒数露光します。露光中はイーゼルマスク、引き伸ばし器などにさわらないように、露光が終わるまで静かに待ちます。
※露光中
現像から水洗いまできっちり作業します。 (11)現像、停止、定着、水洗い
コンタクトプリントは長く保存しておく物なので、各工程ともきっちり処理します。
※定着中(左のバット)。左下のバットは水洗いです。
コンタクトプリンタの整理 (12)完成
印画紙が完全に乾くのを待って、ファイリングします。
※私はA4のクリアポケットファイルに撮影データと一緒に保管しています。
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